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JIN道的処置 ~心と心の化学変化を信じて~

自分が感じるありのままに、本当に人に伝えたいことや届けたいこと、新たな表現方法など、特に自分の内面を重視して綴ったブログ。そして、心を豊かにしてくれるような音楽や映画、本などもたくさん紹介します!

みんなで空気を読み合って摩擦をさけて孤立していく時代

ありふれた奇跡

今期のドラマで一番面白かったというか、心に残る作品となったのが、先週最終回を迎えた『ありふれた奇跡』

脚本が山田太一(74)ということで、さすがベテランだけにとても深みを感じる作品でした。

自殺しようとする人を引き止めたのは、同じように自殺を考えたことのある男女だったから・・・。

そんなところからこの物語は描かれてるんですが、全体的に人の弱さと繊細さ、でも優しいみたいなそんな空気を感じながらゆったりと進行していくドラマでした。

弱いながらにも人は生きていかなくちゃいけない。

そのためには自分の言葉を押し殺してガマンすれば丸く収まるということばかりじゃないし、時には声をあげて自分の想いを本音で熱く訴えることが必要なんじゃないか?

そしてそれでも人は支え合って生きていく。

そういったようなメッセージが感じられるドラマでしたね。


物質的には豊かな時代のハズなのに、幸福感があまりなくて年間3万人もの自殺者がいるという現代の日本とはどういうことなのか?

山田太一は以前『とくダネ!』のインタビューで「今はどんな時代?」という質問に

「みんなで空気を読み合ってあたり触りのない世界が仕上がって来て、息苦しい時代」

と答えています。

一種の無力感と息苦しさ、あたり触りのないことの美徳みたいなことが非常に際立ってきている時代。

言葉が、会話がだんだんだんだん少なくなってきて、会話でドラマを作っていくって言うよりは、両方でKYで、空気読んでという次元でつきあうっていう・・・。

みんなで空気を読み合って、摩擦をさけて孤立していくような、一人ずつが閉じていくっていう感じ・・・。

あの立場だったら自分も何も言えないよなあとか、そうやってだんだんだんだん閉じていくっていう風なこと・・・。

「薄味な方が大人であって世の中の主流だってことになっちゃうのかなあ?
 でもそれだけでは満たされないものがあるから、死んじゃったりするのかなあ?」


「戦後の日本はず~っとある体制の中で生きてきたから、だんだんに気が付いてくることという意味では今の方がいいと思うなあ。
 お金があれば何でもできるなんて、ちょっとビックリするぐらい単純でしょ?
 あれはバカな話だったなっていう風になってる分だけ今の方が成熟してるんじゃないかなって思うなあ。
 また別のアホらしさの中に置き込んでるのかもしれないけどねえ」


そんな彼の想いがまさにぎっしり詰まってたドラマでした。


最初はなんとなく観てたドラマでしたが、後半どんどん引き込まれずにはいられないことがありました。

それは仲間由紀恵が演じていた役が、子供を産めない体だってこと。

それ故に本人はとてつもない苦しみを味わいます。

本当は本人もすごく子供が欲しいのに…。

家族や周りの人達は、結婚したら子供を作ってあたりまえであるかのような気持ちでいます。

その期待がどれだけ本人を苦しめることになるのか?

またそのことがどれだけ恋愛や結婚に対して臆病にさせるのか?

そしてそのことを話し合うことにどれだけの勇気が必要なのか?

言葉一つをとってもどうすればいいのか?

軽くないか?

重すぎないか?

必要以上に気を遣い過ぎてないか?

またそんな態度がかえって苦しめてしまわないか?

その苦悩みたいなものが自分の経験とも重なってかなり重くのしかかってきたんですよね。

結局、どんな言葉をかけていいかわからない、っていうような。

不用意に慰めの言葉をかけていいのかもわからないし、気にするなって言ったところで気にならないわけがないし、軽い言葉になってしまうかもしれない。

誰だって傷つけてしまうようなことは言いたくないし、怖いし、でも言わなきゃ伝わらない・・・。

好きになってしまったらそんなことは関係ないって思ってたとしても、それがどうしたらちゃんと伝わるのか?

伝わる伝わらないに関係なく、本人の中で「現実を受け入れる」ということがどこまでできているか?っていうこともあります。

様々な不安や恐怖に打ち勝てるぐらいの強さを持てるにはよっぽどの勇気がいることと思います。

一方の加瀬亮の役はかつて鬱病でした。

それが故に言葉に対しての不器用さっていうのがあって、うまく本心を伝えることができなくて、しょっちゅう誤解を招くことがあります。

今って「言葉」に対して過敏になりすぎてる時代なのかもしれませんね?

オレもよく「言葉の限界」「言葉の可能性」ってことを言ってますけど、心ってどうしたら一番伝わるんやろう?っていうことを思わずにはいられません。

先ずは自分の心と対話することやと思ってます。

自分にウソはついてないか?

その上で出てきた言葉の結果なら、ある程度どうなっても納得がいきますし、責任もとれます。



オレ自身も空気を読んで摩擦をさけて孤立してるようなところは多分にあります。

人一倍、人の心や言葉に敏感なところがありますからね。

「本当はわかってほしい」

ってすっごい孤独感を感じながら心が叫んでることがあっても、何事もないかのようにクールにふるまってることだってあります。

ただ、オレが完全に陰に籠らないですんでるのは、「大切なことを伝えたい」っていう気持ちがあるからだと思ってます。

そして人に対して「好奇心」を失っていないこと。

そういった部分がなんとか自分に余裕を作れてるってことなのかもしれません。

要するに絶望してないんですよね。

どこかで希望を持ち続けてるから生きていけるわけです。

人はエネルギーを内側に閉じ込めてしまわないでもっと外に向けていく必要があると思います。

それが誰かにとってもパワーとなるように。

そうすればもっと人は支え合って生きていけるハズやのにって思いますね。

クールでないと生きにくい環境にある世の中だとも思いますけど、こんな時代だからこそ決して心の中に熱さや情熱を忘れてはいけないと思います。



それにしても山田太一のドラマってセリフの言い回しがもう彼独特の世界なんですよね。

野島伸司なんかにもものすごいセリフのクサさを感じましたけど、山田太一の場合もなんだか別の意味でクサさを感じてしまいました(笑)。

それが「味」と言っていいのかもしれないですけど、場合によっては不自然に見えちゃうっていう。

優しいんですけどね。




ありふれた奇跡サントラ

今日はこのドラマの主題歌だったオレも大好きなEnya(エンヤ)『Dreams Are More Precious』を聴いてください♪

とっても癒されるし、温かい気持ちになれますよね☆





     Enya『Dreams Are More Precious』を聴きながら…。



  1. 2009/03/27(金) 19:51:29|
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