急激にやる気をなくしたけど(笑)、気が向いたので再開。
先はどんどん貯まっていってることやしね。
シリーズ第12弾。
56 『アウトレイジ』 北野作品らしく、相変わらず暴力シーンだらけで思わず目を背けてしまうような痛いシーンがいくつも…。
本来ならこれだけ暴力満開の作品には嫌悪感がわいてくるところなんやけど、なんせ出てくるのが全員悪人なんで、ヤ○ザのバトルロイヤルを見てると思えば娯楽として開き直れる面はあった(笑)
57 『マルコヴィッチの穴』 スパイク・ジョーンズの初監督作品ということで、かなりの変化球を放り込んだ作品。
7と1/2階で
ジョン・マルコヴィッチの頭の中に通じる穴を見つけるなんていうシュールな発想に感心。
58 『生きてこそ』 原作はウルグアイ空軍機571便遭難事故を題材にしたドキュメンタリー小説『生存者』。
生きる為に仲間の遺体を食べるという選択を強いられる極限の状況に絶句した記憶がある。
59 『人のセックスを笑うな』 19歳の男子が39歳の女性と不倫する話をカラッと描きすぎてるのが個人的には鼻につく(笑)
永作博美演じるユリという女の生態は得体の知れないものがあって全く共感できない。
松山ケンイチと永作博美の濡れ場も全然たいしたことない。
そういえば原作の小説はちょっと読んだだけでやめてしまったので、比べてみないとね。
60 『ボウリング・フォー・コロンバイン』 マイケル・ムーア監督がコロンバイン高校銃乱射事件を題材。
アカデミー賞長編ドキュメンタリー大賞を受賞
キーワードは「恐怖心」。
ユーモアたっぷりで非常にわかりやすいし、面白い切り口。
1999年4月20日コロンバイン高校で18才の少年2人が生徒12名、教師1名を射殺し自らも命を絶った。
この銃乱射事件を元にアメリカの銃社会のみならず、アメリカ社会に根差しているもっと大きな問題を探るべく突撃取材ジャーナリストのムーア監督がユーモアと皮肉を交えながら作った作品。
アカデミー賞の受賞コメントで拍手とブーイングの渦巻く中イラクに爆撃をしたブッシュに対し「恥を知れ!恥を!!」と言ってのけたあの光景がいまだに忘れられない。
日本人にとって銃っていうのは全然身近じゃないってこともあって、アメリカってのはなんて恐ろしい所だろうっていうイメージがあった。
銃による年間犠牲者数ドイツ381、フランス、255、カナダ165、イギリス68、オーストラリア65、日本39という数字に対し、アメリカではなんと11,127件!!
当のアメリカ人でなくてもビックリする!
これが面白いことに日本みたいに銃を規制しているからっていうことじゃないことがわかる。
なぜならカナダでは銃も弾丸も誰でも簡単にウォルマートのようなスーパーで入手でき、その所持率はおよそ700万挺程だというにも関わらずこの件数。
しかも戸締まりすらしないで外出するんだそうな?!
カナダの少年はバイオレンス映画も好んで見るし、アメリカよりも失業率も高く、人種も白人ばかりというわけでなくてアメリカと同じように混在している。
この違いは何か?と。
こういう一つ一つの疑問を解明するべく、いろんな所に取材しに行くわけだ。
中には青少年の悪影響の元凶のようにされたロック・アーティストのマリリン・マンソンや、コロンバイン高校の卒業生であり放送禁止用語連発のお下劣アニメ『サウスパーク』の原作者マット・ストーン、そして俳優で元全米ライフル協会会長チャールトン・ヘストンといった人達までいる。
ムーア監督は映画の中では触れてないけども、インタビューの中で日本が人口1億2000万人もいるのに事件がたった39件、12件の年もあればもっと以前にはゼロの年もあったということに非常に衝撃を受けたんだそうな。
アメリカ人にはどうしてそんなことが可能なのか理解に苦しむという。
日本人だって怒りを感じたりケンカもするだろうし、仕事に不満を持つ人もいれば学校嫌いの生徒もいる。
なのに決して銃を撃ったりしない。
じゃあなぜアメリカ人は銃を撃つのか?
最終的な解決手段に暴力で訴えるのか?
どうすれば暴力に訴えず日本人のようになれるのか?
監督は他人の痛みは自分の痛みと認識する「思いやる心」が、アメリカの個人主義的社会に欠如していると指摘。
日本の社会構造にも随分関心を持ったようだ。
監督は結局「恐怖心」っていうものがキーワードのように言っている。
恐怖の文化。
銃を持つ人間は臆病で弱いからだと。
その恐怖心を植え付けてる大きな要因は「メディア」で、年々殺人事件の件数は減ってきてるにも関わらず、ニュースで取り上げる率は逆に高くなっており、その結果「恐怖」を売り物にしていると語る。
銃による事件は少ないとは言え、日本もアメリカと同じような現象や傾向はあるだろう。
「恐怖心」と「メディア」っていうのは全くもって他人事では無い。
毎日毎日物騒で暗いニュースが続くし、よりショッキングな事件が一つ取り上げられると必ずそれに誘発されたかのような事件が発生する。
そしてまた報道で大騒ぎした結果、社会現象のような感覚に陥る悪循環。
これがブラウン管の向こうだけの感覚ならともかく身近で頻繁に起こるようになると危機感を覚えずにはいられない。
特に大都市に住んでいるといつどんな事件に巻き込まれるとも限らない。
ところでこの映画が非常に見やすかったのは監督が「ユーモア」を大事にする人だったからにほかならない。
マーク・トウェインの「笑いという攻撃には誰もが屈する」という言葉が大好きらしい。
確かに。
人と人との関係においてバランスを取るのに最も有効なものだと思う。
ユーモアのある人ってキツい内容のことを言っててもどこか憎めなかったりするもんだ。
第一こういう人は一緒にいても楽しい。
もっともムーアの場合は正義感から来る怒りを持続するためのエネルギーがユーモアであるみたいだけども。
この映画の公開からもうだいぶ経つが、相変わらずアメリカから銃による事件が聞こえなくなることはない。
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『ANGEL』を聴きながら…。
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- 2013/02/12(火) 05:00:12|
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